商家に伝わるひな人形めぐり その2

金堂まちなみ保存会

2017年02月04日 17:00

 

 
寝ごころや いづちともなく 春は来ぬ  (与謝蕪村)



<春よ来い ♬ 、福よ来い ♪♭♫


 昨日は節分、今日は二十四節気の一つ立春です。

 この日から季語も春になるそうで、暦の上でようやく春になったという気持ちの安堵を感じます。今年は例年にない大雪にみまわれたこともあり、特にそのように感じます。お天気も、今日はその意を汲んだかのように春らしい良い天気となりました。



<雪で真っ白の伊吹山にも何となく春を感じます>


<我家の蝋梅にも、遅まきながら春がすぐそこまで>

 我が家の庭の蝋梅は、晩生なのかやっと蕾が付きました。


 それでは、一昨日に引き続いて,

商家に伝わるひな人形めぐり ”
きょうは、
外村宇兵衛邸中江準五郎邸
のひな人形を紹介いたします。


<外村宇兵衛邸の入り口の看板です>

 宇兵衛邸のひな人形と云えば、古今雛御殿飾りや有職雛でしょう。寛政~慶応、明治・大正・昭和時代の19の雛が展示されています。
 特に約200年前の製作と云われている宮中を模した豪華絢爛な御殿雛や、寛政時代の雛人形が見どころです。
 御殿飾り雛は、主に京都を中心とする京阪神(いわゆる ” 上方 ” )で流行り、5段、7段という段飾り雛は、関東で流行りました。


<玄関から真正面に見える御所飾り雛>

 このような精緻で質の高い御所飾り雛は、もう出来ないでしょうね。
このような御殿飾り雛(御所飾り雛とも)は、一つ作るのに相当の時間がかかり大量にできないことや、百貨店や人形店での一式揃いの雛段様式による大量頒布に押される等して消滅してしまいました。 このような立派な御殿雛は、大事に保存をしていきたいものです。


<入った最初の部屋の右に展示されている御所飾り雛>


<ちょっと左から眺めた御所飾り雛>


<格式と風格のある七段飾りの雛段>

 この他にもたくさんの雛飾りが展示されていますので、是非お訪ねください。

<未だ雪が残っている、外村宇兵衛邸の前栽>


<宇兵衛邸横のレトロな郵便ポスト 要注意 使用不可>

 次に訪ねたのは、中江準五郎邸です。


<中江準五郎邸表の看板>

 中江準五郎邸には、雛匠東之湖(とうこ)氏が心を込めて制作した平成の創作雛が展示されています。その特長は、近江の麻を纏ったびわ湖をモチーフにした「清湖雛」でしょう。また、東日本大震災の被災者に思いを届けて、毎年制作されている「絆雛」でしょう。一対を被災地に贈っておられます。それと、中江準五郎邸では、常設で小幡人形をはじめ全国の土人形が所狭しと展示されているのです。


<近江麻を使った爽やかで凛としたひな人形たちです>


<東之湖氏の絆雛、今年の作品は「蕾」>


<東之湖氏の作品 「東の女神」>


<初々しい娘十人囃子雛>



<東之湖氏による男雛>


<東之湖氏による女雛>


 中江準五郎邸には、小幡人形や全国から集められた土人形が蔵いっぱいに展示されています。 


<小幡人形の代表的な作品 立ち天神様>




<生き生きとした表情の小幡人形>


<準五郎邸前栽の手水鉢>

 手水鉢に落ちる水の音が、一層静寂さを感じさせてくれます。


 数え切れないほどの、人形が皆様方のお越しをお待ちしております。是非ともお訪ねください。


<中江準五郎邸を出た、すぐ近くには、川中地蔵が祀ってあります>

 川の中に、お地蔵さまが祀られているのです。
 古くから、暮らしと切っても切れない水との関わりの中で、お地蔵さまが川の中に祀られているのです。平成27年には、「祈りと暮らしの水遺産」としてその景観は、文化庁から「日本遺産」として選定されました。
 
 五個荘地区内には、この他 ” 商家に”伝わるひな人形めぐり ” として、金堂まちなみ保存交流館をはじめ、近江商人屋敷藤井彦四郎邸、近江商人博物館、観峰館、八年庵等でひな人形が展示されています。

 また、例年恒例となりました、地元学生が内裏雛や三人官女、五人囃子となって来館者をお迎えし、甘酒等をサービスする「にんげん雛絵巻まつり」が、今年は、外村繁邸で2月18,19日に開催されますので是非ともお越しください。 




<我が家のメダカも春は未だかと待っています(H.29.02.04 撮影)


歩みの遅い しゃくとりむし でした。


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